株式会社TKC発行の企業向け情報誌「戦略経営者」
2022年10月号に記事が掲載されました!
事業内容やアイ・モバイル株式会社に制作いただいたホームページの活用方法などについて、代表 木下がお話させていただいております。
埼玉県で、高齢者向けの介護・福祉サービスを提供するクロスハート。その代表を務めるのは、木下美由紀社長だ。『デイサービス・ショートステイ 結いの心』や、『緩和型デイサービス 梨花club』などを運営し、利用者とスタッフとの間にはいつも笑顔が絶えないのがクロスハートの特色の一つ。
同社の経営戦略と、ホームぺージ(HP)を活用したマーケティング活動について聞いた。
――起業のきっかけは?
木下 もともと私は総合病院の看護師だったのですが、出産を機に訪問看護師として働きはじめたのが、介護業界へと足を踏み入れたきっかけです。病院では人員や治療体制が充実した環境で患者さんをケアできていたのに対して、訪問看護は私一人が頼り。ご自宅で過ごす患者さんが、訪問した1時間だけでなく次の一週間、どう安心して過ごせるかを考え続けていました。すると、「医療措置が必要な利用者さまが、安心して使える介護施設がない」という課題が見えてきました。であるなら、医療依存度の高い患者さんが安心してご利用いただける場所を小さくてもいいので作りたい……と平成25年に開設したのが『小規模型デイサービス梨花』です。
――規模を拡大してきた背景は。
木下 現在、デイサービスとショートステイを提供する『結いの心』、デイサービス『梨花』、緩和型デイサービス『梨花club』を運営していますが、われわれは規模の拡大を目的とはしていません。利用者さまのニーズはもちろん、ご家族のニーズにも対応する必要性が出てきたことで少しずつ事業が広がってきた形です。当初は医療依存度が高い利用者さまを想定していましたが、2020年には、一人暮らしをされているような高齢者を対象に基準緩和型通所サービス(サービスA)『梨花club』事業も開始し、高齢者が社会的弱者にならないよう支援しています。
――運営上大切にしていることは。
木下 食事を大切にしています。コロナ禍前はオープンキッチンで作り、旬の食材や地元の食材を使用した食事を、利用者さまと職員が同じテーブルで食べ、距離を縮めてきました。食事の量や箸の使い方、さらには利用者さまの視力や視野の範囲などを確認することができ、リハビリの観点からもとても良い時間になっています。利用者さまとの時間を大切に過ごし、また来たいと感じていただけるようにと思っています。
──HP開設のきっかけは?
木下 介護保険事業者には情報公開が制度上求められていて、その開示の方法の中で、一番簡単にできそうなのがHPだったからです。そこで、いつも税務や経営の相談をさせていただいている税理士法人アイタックスワールドさんにご相談し、アイ・モバイルさんを紹介いただきました。
──どのようなHPにしたいと?
木下 最初は簡単な情報を掲載したHPでいいと思っていました。ところが、アイ・モバイルさんの制作担当の方と話す中で、情報発信や対外的な広報活動の重要性に気付き、利用者さまやご利用を検討されている方に、「行ってみたい」「楽しそう」と思ってもらえるようなHPを作りたいと考えました。
――制作はスムーズでしたか。
木下 アイ・モバイルさんからさまざまなコンテンツ案も提案していただき、施設の雰囲気がとてもよく伝わってくるHPになりました。実は、当初写真はプロのカメラマンが撮影したもののみを使う予定でしたが、「日常を収めた写真も使えば、さらに施設の良さが伝わりますよ」とアドバイスを受け、普段撮りためていた写真も取り入れた結果、想像以上に温かみのある、私たちの想いを伝えるHPになりました。
――開設後、どのような変化が?
木下 採用面で大きな変化が現れました。HPを開設してからわずか1年間で「HPの採用情報を見て」応募してくださった方は7人。
有料の採用ポータルサイトに出稿しなくても、これだけの応募数を獲得できたのはすごいと思います。
──採用活動で工夫したことは?
木下 応募フォームの簡略化です。極力入力項目を減らすことで最初のステップのハードルを下げました。また、採用情報に飛びやすい動線設計にするなど、少しずつHPの改訂を重ねています。
──SNSも活用されていますね。
木下 ツイッターとインスタグラムで発信しています。インスタは時期に応じて私たちが発信したいテーマや内容に焦点を当てて投稿しています。以前は採用についての投稿も多かったのですが、最近は施設での様子を多く伝えるようになりました。採用に重点を置いていた時期には、シングルマザーのスタッフに登場してもらい、結果、シングルマザーの方からの応募が増えるなど、確実に成果に結びついています。
──管理や更新はどのように?
木下 私も含め3人で担当しています。常に意識しているのは、HPを見る人が何を知りたいか……です。アイ・モバイルさんのBESTホームページは、ページごとの閲覧数が分かるので、アクセス数の多寡に応じて投稿内容を変更するなどの工夫をしています。
また、SNSもHPのどのページが一番閲覧されているのかのデータを参考にして内容を決めています。
──今後の活用はどのように?
木下 動画の活用や施設の空き状況をHPで確認できるシステムの導入なども考えています。ショートステイの空き状況がネットでチェックできれば利用者さまにとっては便利ですよね。また、HPを見たら終わりではなく、何度も見にきてくれるHPにしたいですね。
アイ・モバイルさんは、こちらが伝えたニーズや想いを的確に汲み取って、プロの視点での提案をしてくれます。HPによって、こんなにも会社の可能性が広がるとは思ってもみませんでした。